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人生の舵を切るとき - 映画『星の旅人たち』を観て

 私の父は公務員で、毎日夜遅く帰ってきて、休日も家で仕事をしていた。気分転換は晩酌ぐらいのようで、そんな人生は楽しいのだろうかと、子供ながら疑問に思っていた。

 そんな父を見て育ったせいか、私は大学を出ても就職せず、何年かアルバイトをしていた。結婚を機に会社で仕事をするようになったが、理想とされるレールからは外れてきたのだと思う。

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無意味の意味 - 『断片的なものの社会学』を読んで

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 家で偶然、映画の割引券を見つけた。1800円が1000円になる割引券で、これはお得だということで『虐殺器官』を観に行った。その日は家族が車を使っていたので、私は独りで自転車で出かけた。映画が終わると陽が落ちていて、風が冷たく突き刺さった。家に帰る途中、なんとなく寂しくなって自転車のスピードを上げたら、縁石に乗り上げてタイヤがパンクした。パンクの修理代は800円で、映画の割引額が綺麗にゼロになった。

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戦争と科学のジレンマ - 『戦争の物理学』を読んで

 第二次世界大戦で日本に原爆が投下されたとき、アインシュタインは悲痛の叫び声を上げたそうだ。自ら発見したエネルギーの法則で、大勢の人間が命を落とした。「E=mc²」の公式がなければ、原子力爆弾は存在しなかったかもしれない。アインシュタインの背中には、巨大なジレンマがのしかかったはずだ。

 科学者は純粋に科学を探求する。自然の中に隠れている法則を見つけて、可能な限りシンプルな公式で世界の仕組みを解き明かそうとする。たとえそこに探究心以外の他意があっても、殺意のある科学者はいないはずだ。

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なぜ高齢者はアクセルとブレーキを踏み間違えるのか

 高齢者による車の事故が後を絶たない。アクセルとブレーキを踏み間違えて、歩道や店舗に突っ込む。特に子供が巻き込まれるニュースを見ると、居たたまれない気持ちになる。

 高齢者がペダルを踏み間違える要因として、主に認知能力や判断能力の低下が上げられているが、果たして脳機能の低下だけが原因なのだろうか。また、本当に高齢者特有の事故なのだろうか。

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