セカイカメラという"オモチャ"

あなたが産まれるずっと前に"セカイカメラ"というオモチャがあったの。あなたは産まれてすぐにお医者さんがある事をしてくれたから、何かを「教えて欲しい」と心の中でお願いしただけで、目の前にパッと文字と絵が出てきて色んな事を教えてくれるでしょ? 昔はそんな事できなかったから、みんな"セカイカメラ"で同じような事をして遊んでいたのよ...
親子の会話


セカイカメラの作者である@iguchiさんは気さくな方だ。Twitterでセカイカメラについて呟くと、私のような見ず知らずの人間に使い方などをMentionで教えてくれる事がある。Twitterを始めて間もない頃に突然@iguchiさんからMentionを頂いたのでよく覚えている。


先日もアニメ「東のエデン」について「面白いのかな?」と呟いたら、@iguchiさんからの推薦状がMentionで届いた。他の多くの方からも薦められたのでさっそく観ている。まだ第一話しか観ていないが、監督が神山健治さんなので期待できる作品だ。


その神山健治さんの代表作「攻殻機動隊 Stand Alone Complex」は、以前書いた記事でも少し紹介したが、私が最も好きなアニメ作品だ。そこに登場する人物は、脳に直接マイクロマシンと呼ばれている小型機械を注入し、可視化されたネットワークを心の中で作り出す事ができる。


そして「電脳コイル」。現実世界と仮想世界を重ね合わせて見られる「電脳メガネ」が登場するアニメだ。@iguchiさんは自ら代表を務める「tonchidot」の公式サイト上で電脳コイルの監督である磯さんとの対談も紹介している。セカイカメラの世界観にもっとも近いアニメではないだろうか。


本題に入る。


リリース当初、多くのiPhoneユーザーがダウンロードしたであろうセカイカメラ。日本で産まれた初の本格的なAR(拡張現実)アプリケーションであり、iPhoneの画面に映るエアタグにより、様々な情報を直感的に得る事ができるアプリだ。管理者が用意したエアダグだけではなくユーザーが世界中にエアタグを配置する事により、リアルな世界に無数のバーチャルな情報を産み出す事ができる。


最近では外部連携サービスであるOpenAir APIを発表したり、バージョン2.0でソーシャルサービスを充実させたりと、その動向に目が離せないアプリである。

だが、現段階でセカイカメラは先進的な"オモチャ"でしかない。

情報収集ツールとして使用するには実用性が欠けているのだ。隣に知人がいるというシチュエーションでiPhoneを空間に向けるならまだしも、1人で街を歩いている時にiPhoneのカメラレンズを実体なき被写体に向けるのは、あまりに非日常的な行為である。ユビキタスな情報収集ツールとするには、先に紹介したアニメの世界のように使っている事を意識させない必要がある。私は「未来を体験するオモチャ」を求めているのではなく、「未来の情報収集ツール」を求めているのだ。

ただ、@iguchiさんはセカイカメラが"オモチャ"である事を分かっているはずだ。なぜなら本人のTweetを見ると、大人げない大人が"オモチャ"で楽しんでいる姿が目に浮かぶからだ。セカイカメラは未来の情報収集ツールの先駆けである事は間違いない。自ら創造した先進的なツールを、自らが一番楽しむ事ができる@iguchiさんであれば、冒頭で紹介した「親子の会話」のような未来を産み出す事ができるのではないか。

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