「東のエデン」システムと、カメラのない「セカイカメラ」



 「東のエデン」のTVシリーズを観た。快作「サマーウォーズ」を観た後だからという理由もあるが、期待していた以上の感動はなかった。同じ神山監督の作品なら「攻殻機動隊」のほうが面白い。主人公の滝沢も「攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG」のクゼとダブっているように思う。だから東のエデンという「アニメ」に対する感想は特にない。気になったのは東のエデンという「システム」だ。

 以前「セカイカメラという"オモチャ"」という記事を書いた。力作だったのでアプリの作者@iguchiさんにMentionで贈ったのだが、見事にスルーされた。敬意を表したつもりだったのだが、"オモチャ"という表現が気に障ったのだろうか。まあそんな事はいい。

 「東のエデン」とは、アニメのタイトルでもあり、作中に出てくるシステムの名でもある。携帯のカメラで映す現実世界の画像に、タグ情報をレイヤーで表示させるシステム。セカイカメラが位置情報からエアタグを取得するのに対し、「東のエデン」は画像を解析してタグを表示させる。

 どちらが影響を受けたのだろうか。@iguchiさんがセカイカメラをTechCrunchで発表したのが2008年9月。「東のエデン」が放映されたのが2009年4月。一見すると「東のエデン」がセカイカメラの影響を受けたように見えるが、実はセカイカメラが影響を受けたのかもしれない。ニワトリとタマゴだ。

 リリース当時は世間の話題をさらったセカイカメラだが、今でも利用している人は居るのだろうか。おそらくあまり居ないだろう。以前の記事でも書いたが、セカイカメラは被写体なき被写体にカメラをかざす行為が非日常的すぎて、実用性に欠ける。それではカメラをかざす必要がなかったらどうだろう?

 これは@iguchiさんがセカイカメラのiPad版について言及した記事だ。カメラのないiPadにもセカイカメラが対応する事を示唆しているが、iPadでどのようにセカイカメラを実現するのだろうか。外付けカメラ?

 記事を読むとSNSサービスである「セカイライフ」だけを実装するような印象を受けるが、それにしてはテンションが高い。@iguchiさんはカメラのないiPadでもエアタグを表示させようとしているのではないか。

 iPadでセカイカメラを実現しようとするなら、Googleストリートビューを利用する以外に方法はないだろう。画像をリアルタイムで解析するのは難しいため、セカイカメラ用のレイヤーを用意するのではないか。レイヤーは2枚。管理者が用意したデフォルトのレイヤーと、ユーザーが自由に吹き出しを追加するためのレイヤー。ついでにコスプレイヤーもどうだろう。

 現在、Googleストリートビューは日本全国に対応している訳ではない。また、プライバシーの問題も根強い。例えば冒頭の画像に出てくる@entrypostmanさんも、まさか自分が撮られているとは思いも寄らなかっただろう。だからGoogleストリートビューの利用は現実的ではないかもしれない。

 ただし、SNSサービスであるセカイライフだけをiPadに対応させても、セカイカメラユーザーが増えるとは思えない。セカイカメラが生き残るためには、Googleと提携してストリートビューを利用する以外に道はないだろう。茨の道だ。

 余談になるが、「東のエデン」に登場する「ATO播磨脳科学研究所」。同名の研究所は実在しないが、播磨科学公園都市は兵庫南西部に実在する。何回か訪れた事があるが、名だたる企業の研究施設が丘陵地帯に連なっていて、建築家の安藤忠雄氏が関わっているだけあって、異世界を感じる事ができる。機会があったら体感して欲しい。とても閑散としているから。

 ついでにもう一つ余談を。冒頭の画像の吹き出しは、iPhoneの無料アプリ「ふきだしツクール Lite (AppStore 無料)」で作成した。調べたところ「Photogene (AppStore 230円)」でも作成できるようだが有料アプリだったので断念した。最近@necojitaさんのおかげで、絵心がないくせにペイントアプリを買いすぎたから節制したのだ。彼のレビューは魔力を持っている。人を勘違いさせる魔力だ。次回の記事は「絵心のない人が絵を描く方法」というタイトルで書きたい。上手く描ければの話だ。


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